世界で戦い、そして勝てる日本人は弱冠21歳!
プロスポーツとしてのウィンドサーフィン。そのトップクラスで戦っている日本人選手が、今回紹介する21歳の杉匠真さんです。湘南・逗子に生まれ育ち、世界を舞台に活躍する若きウィンドサーファー。彼の過去と現在、そして未来について聞いてみました。

ビリから世界一になった「超負けず嫌い」の少年
「ウィンドサーフィンは大きく4種目に分かれます。スラローム、フリースタイル、ウェイブ、フォイル。僕がやっているのはフリースタイルとウェイブです」
のんびりと海にたゆたうようなイメージがあるウィンドサーフィンですが、杉匠真さんのライディングはまったくの別物。桁違いにアグレッシブなのです。
セイル(帆)とボード(板)を自在に操り、フィギュアスケートのように海面をくるくると回りながら進む。また時速40〜50キロ、ときには100キロを超えるスピードで海面を滑り、波の力を利用して10メートル以上もジャンプする。その動きは力強く美しく、過酷なスポーツでありながら極上のエンタテインメントなのです。
そんなウィンドサーフィンのシーンのなかで、杉さんのような選手が、そうそういるわけではありません。日本人としてはもちろん、世界でも数少ないトッププレーヤーなのです。
「世界を転戦するワールドカップに出場できるのが32名。大会ごとにポイントが設定されていて、ポイント上位16名がグランドファイナルに進出し、最終的な年間王者が決定するんです」
今年2023年、11月末にハワイで開催されるグランドファイナル進出がほぼ確実な状況(7月時点)。ものすごい日本人選手が現れた!と驚きますが、杉さんの来歴を改めて聞いてみると、現在の活躍ぶりがとても納得できました。
「父がウィンドサーフィンのインストラクターなんです。ここ逗子のショップ『マリーンブルー』に所属していて。小学校1年生で始めました。自宅も海から徒歩30秒ですし……環境は完璧に整っていましたね(笑)」
実は逗子は、日本におけるウィンドサーフィン発祥の場所のひとつ。周囲のビーチに比べると湾内は比較的穏やかで、初心者でも乗りやすい環境だそうです。
「サーフィンに比べると、ボードの上に立つのも意外に簡単。自分もすぐに夢中になりました。でも小学校1年生のときに初めて出場した大会でボロ負けして。最下位でした。むちゃくちゃ悔しかったですね」
そこから徹底的に練習を重ねて、翌年の大会では見事優勝を果たします。ビリから、トップへ。そしてこれもまた驚くべきことですが、その後小学校の6年間は毎年優勝し、6連覇を達成したそうです。
「自分、マジで負けず嫌いなんです(笑)。スラロームからスタートしてウェイブに出会い、中学生になったタイミングでフリースタイルも始めました。それもよかったと思っています。フリースタイルとウェイブを両方やることで、お互いの競技にいい影響を与えてくれるんですよ」
現在では年間の半分を海外で転戦しているという杉さん。ここ地元の逗子で過ごす時間は決して多くありません。でも「いつもゆるい空気が流れていて大好きなんです、逗子」と言うように、逗子という場所が杉さんの大事な心のよりどころであることは、間違いないようです。
プロとして活躍することがウィンドサーフィンへの恩返し
杉さんがプロになったのは、14歳のとき。2017年当時の最年少記録です。その後通信制の高校へと進学し、ウィンドサーフィンに専念できる環境を自ら作っていきました。
「プロになったときにまず、ワールドチャンピオンになろうと思いました。正直言って、ウィンドサーフィンはまだまだマイナーなスポーツ。日本人の自分が世界一になることが、この競技をもっと発展させるためのきっかけになると考えたからです」
毎年ワールドツアーに参戦する実力をキープし、2021年、ついにU-20(20歳以下の部門)でワールドチャンピオンを獲得します。有言実行。目標のために何をすればいいかを自己分析し、具体的な計画を遂行できる意志が、杉さんの強さです。
「ワールドチャンピオンになったときは、本当にうれしかったです。このタイミングから“本当のプロになってきた”と実感しました。オールラウンドに技を繰り出せるようになってきたという実力的な面でも、多くのスポンサーさんが付き始めたという経済的な面でも」

ここで不思議に思うのは「そんなワールドクラスの技を、いったい誰が教えたのか?」という点。しかし結論から言ってしまえば、すべて杉さんの独学です。海の上での技はもちろん、普段のトレーニングに関しても。
もちろん最初にウィンドサーフィンの手ほどきをしてくれたのは、ほかならぬお父さん。しかしながら中学生からプロとして、それも世界のトップクラスで活躍する杉さんに、いったい誰が具体的な指導をできるというのでしょうか。日本はおろか、世界にもそんな人物はいないかもしれません。
そう、杉さんはこの若さにしてプロウィンドサーファーの道を“ただ一人”で切り拓いてきたのです。
今も杉さんはほぼ毎日海に入ります。「ちょっと大浴場に入ってきます、くらいの感覚(笑)」と言います。おどけているようですが、本当にそんな気持ちなのでしょう。そばにはいつも海があり、そしてウィンドサーフィンがある。それが杉さんの、素顔のライフスタイルなのだと思います。

「今後の目標は短期、中期、長期でそれぞれ決めています。まずはあと5年でワールドカップの世界チャンピオンになること。そして10年後に自分のショップを構えること。最後は30年後に、ウィンドサーフィンを誰もが知るスポーツにしたいと思っています。何しろ自分はウィンドサーフィンに育てられたようなもの。いつか必ず、ウィンドサーフィンに恩返しをしたいんです」
「自分のライフスタイルに驚くほどハマるブランドなんです」
「ハイドロフラスクは以前から知っていました。ハワイに行ったとき、現地でとても流行っていて。自分はいつも水を入れています。氷を入れるといつまでも冷たくて……この時季、ビーチはめちゃくちゃ暑いので本当にありがたいんですよ」
ボトルはもちろんアクセサリー類も愛用中。この日はクーラーバッグにお母さんのお手製のおにぎりが入っていました。そしてクーラーバッグをたすきがけにして、ビーチへと向かいます。
「砂浜で大活躍してくれるのがこのウーフォス。このサンダルはいい意味でヤバいです(笑)。水に強くて滑らない。何よりフィット感が素晴らしくて、全然疲れないんですよ。実はここ1週間こればかり履いているんです。この間は渋谷まで出掛けてしまいました」
海から街まで、あらゆるシーンで足元をサポート。ウーフォスは、リカバリーシューズのパイオニアとして誕生し、独自の革新的なテクノロジー「ウーフォーム™︎」を採用。従来のフォームフットウェアよりも37%も衝撃を吸収する特徴があり、足や関節への負担を軽減させることができます。その効果は、全米足病医学協会(APMA)からの認定を受けるほど。杉さんは、飛行機の中や、海外遠征先のホテルでもウーフォスは役に立ってくれるといいます。
「飛行機の中でリラックスしつつ、トイレに立つときなどさっと履くことができる。また海外の滞在先では、部屋をシェアする選手や現地の友人が土足で入ることも多く、床を不衛生に感じることも。そんなときウーフォスはいつでも“気持ちのいい足元”を約束してくれるんです」
ちなみにお父さんの純太郎さんは、プライベートで3年ほど前からウーフォスを着用しているそう。もちろん杉さんへのサポートが始まる前の話です。「父は“俺のほうが早くから履いていたのに”とボヤいています(笑)」。
そして海上がりに大活躍してくれるのがノマディックスのポンチョです。きめ細かいリサイクルポリエステル素材の生地が抜群の吸収力を発揮。それでいて表面に砂がつきにくく、水切れがよく乾きやすい。とても機能的なアイテムです。
「そしてこの見た目がいいですよね。アルコインターナショナルが取り扱うブランドのアイテムはどれもデザインが好み。身に着けていると気分が上がるから」
ハイドロフラスクはもともと「ペットボトルや使い捨てプラスチック容器の使用をいかに少なくしていくか」というテーマから生まれたボトルです。またウーフォスはリカバリーシューズとして、スポーツを愛する人々の健康に役立ってきました。そしてノマディックスは、生地の原料にリサイクルポリエステルを使用しています。
つまりいずれもサステナビリティ、「持続可能な暮らし」と深くつながっているブランドなのです。
「物心ついたときから海に入っていますから、サステナビリティについては常に関心を持っています。昨年は“スポGOMI(ゴミ拾いを競う新しい概念のスポーツ)”とコラボレーションして、ビーチクリーンを実施しました」
実は杉さんは、日本ウィンドサーフィン協会の広報戦略担当も務めています。こうした活動はもちろんウィンドサーフィンの認知にもつながりますが、加えてさまざまな人々に「きれいな海」を考えるきっかけを与えているように思います。

「スポンサーの三菱ケミカルとともに、カーボンリサイクルにも取り組んでいます。ウィンドサーフィンのマスト(帆を支える支柱)は、以前は折れると即廃棄、つまりごみになってしまっていたので。個人的な実感ですが“海とごみは隣り合わせ”だと思っています。サステナブルな活動は、これからもずっと続けていきたいですね」

Photo: Kengo Shimizu Text: Tomoshige Kase Edit: Toshiki Ebe(ebework)