SVリーガー富田将馬選手が、春高を制した母校を激励。“東山魂”が響き合う Part 1|マガジン|アルコ株式会社

SVリーガー富田将馬選手が、春高を制した母校を激励。“東山魂”が響き合う Part 1

去る2026年1月、第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会、通称“春高バレー 2026”を、京都の名門校、東山高校が制覇。名将・豊田充浩監督の指導のもと、“つなぐバレー”で名を馳せています。

「バレーボールの“基本のき”は、東山で学んだ」と語るのが、同校の卒業生でもある大阪ブルテオン所属のSVリーガー、富田将馬選手です。

自らの初心に帰るべく、年に数回、母校の練習に参加するという富田選手。 このたび春高バレー制覇の祝勝と、新年度を迎える選手たちを激励に、春休み期間の練習を訪ねました。

 

京都を勝ち抜くことも難しい

さすが強豪校と言いたくなる張り詰めた空気感。練習開始時間の9時前から、すでに早出している部員たちが体を動かし始めています。

2026年1月、6年ぶり2度目となる全国制覇と成し遂げた東山高校は、ファンにはお馴染みのバレーボール強豪校。SVリーガーを数多く輩出したり、アンダーカテゴリーの日本代表候補者を現役生に抱えたりと、確かな実力でその名をバレー界に轟かせています。

厳しさの裏には京都に同じく全国的な強豪校である洛南高校があり、ライバルとして切磋琢磨していることから、全国大会に出場することさえも難関という事情もあるようです。

率いるのは監督歴32年という名将・豊田充浩監督。同校の卒業生でもある小川峻宗コーチとともに、取材の際には1名しか参加していなかった新入生を含めた総勢46人の部員を束ねます。

9時に全体の挨拶から始まった練習はメニューを部員それぞれが逐一確認しながら、無駄のない動きで進行していきます。

この日、東山高校にスペシャルゲストがやってきました。アルコがサポートをしているSVリーグの大阪ブルテオンに所属する富田将馬選手です。

普段はリーグで凌ぎを削るなか、セミファイナルへと進んだチームに欠かせないマルチプレーヤー。練習のオフを使って母校を激励に訪れました。

同校OBであり日本におけるプロリーグのスタメン選手の来校に、心なしか部員たちのテンションも高まり気味です。

「現代のバレーボーラーはレシーブもきちんとできないと使われません。つなぐ基本は、ここ東山で学びました」(富田選手)

こう語るように、時折母校を訪ねては初心に帰ってリフレッシュしています。

「後輩たちと汗をかくのも気持ちいいのですが、いろいろ話を聞きにきてくれるのもうれしいですね。僕の経験をより多くの後輩たちに伝えていけたらと思っています」(富田選手)

基礎あり実践形式ありと多彩に繰り広げられていく練習は、およそ3時間半。選手たちの表情は真剣そのもの。自主的に、そして段取りよく準備される練習の姿勢には唸らされます。

いわゆる“ディグ(こぼれ球対応)”のためにネット脇から低く打たれたスパイクに反応する練習やブロックからの反応精度を高める練習など、すべてのメニューに長年のノウハウが詰め込まれた東山流が感じられます。

とりわけ実践形式のメニューでは、レフェリーの判定にも場合によっては、それを覆さんばかりにアピールするほど気を抜きません。

午後に同じく国内強豪であるバスケットボール部に体育館を譲るまで、みっちりと実施。富田選手もこの中に混じって、スパイクやレシーブなどを披露。しっかりと汗を流しました。

一にも二にも人間形成の場

「全国優勝するということも大事ですが、彼らは高校生ですから、ひとりの成熟した人間として育ってほしいという思いが第一にあります。

自主性は、こちらが与えるということではなく、自ら育んでいくもの。まずは日常から型を学んでいってほしい。俗に言う“守・破・離”の精神です。型をマスターしたあとで、オリジナリティを出せばいい。型がなければ型破りもありませんからね」(豊田監督)

厳しい空気感を保ちながらも、言葉の端々から愛情が滲む豊田監督。30年以上、同校で指揮を取る凛とした姿に名将らしいオーラも感じさせます。

“人として”という育成の思いがあるからこそ、練習時間の緊張したムードを自分たちで作り出せるのだろうと合点がいきます。

「ライバル洛南高校のいる京都は、予選を勝ち抜けることさえも大変ですから。京都を突破できたら全国制覇まで8割は達成したようなものです。出場したら、初戦は引き締めて。そうすれば、残りの2割は間違いなくついてくるぞと。初戦を勝てば優勝までいけると共有しました。勝利は何よりの薬ですからね。今回は、大会を通じて段階的に選手たちが伸びてくれて、コート内でしっかりと自分たちのバレーを表現してくれましたね」(豊田監督)

このように全国制覇までの道のりを振り返ってくれました。

「今は、大きな選手も拾わないといけない時代。ここでしっかり拾う技術と、必ず次につなぐんだ、という精神を鍛えていってほしいと思います」(豊田監督)

富田選手もまた、拾って打てるオールラウンダー。“東山魂”を表現する選手といえるでしょう。