2025.2.21

MAGAZINE Vol.41(前編)

「良走」のスタートラインはカラダ診断

これからの時季はランナーにとって心地良く走りを楽しめる気候で、
マラソン大会のハイシーズンを迎える。
街中でも真剣なランナーの姿が増えてくるころですが、
「自己流で走っていたら膝を痛めた」「頑張ってもタイムが伸びない」という
悩みを抱えている人も多いのでは?
そんなあなたに朗報。
プロランニングコーチ・黒川遼さんに「カラダが泣かないランニング」の秘訣を聞きました。
「たくさん走ったり、速く走ることを一過性でなく、
より継続して続けることが大切です」と黒川さん。
まずは、自分のカラダを知ることから始めましょう。

改善の第一歩は「自分のカラダを知ること」

「たくさん走れば・鍛えれば走れるようになる」というのは半分正解であり、半分不正解。
上記を踏まえて継続することが大切ですが、実は継続性を左右するのは
「自分の身体のクセや弱点を把握できているか」だと黒川さんは教えてくれます。


「フォームの改善がうまく行けば、今までのペースがラクに感じられるようになり、
人によってはタイムの更新に繋がります。
また、自己流で走っていると、知らず知らずのうちに
気付かぬ部位に負担が偏り痛みに繋がることもありますが、それも抑えられます」と黒川さん。


では具体的にどうすればいいでしょうか。
簡単にできる「オーバーヘッドスクワット」で、あなたのカラダをチェックしてみましょう。
鏡の前で自分の姿勢を確認することをおすすめします。

カラダチェック:オーバーヘッドスクワットをやってみましょう

① 事前フォームはこちら

まずは直立し、両手をまっすぐ上に伸ばしてみましょう。

■チェックポイント:
腕、耳、肩、肋骨、骨盤(股関節)、膝、くるぶしが一直線になっているかを確認しましょう。
反り腰や猫背になっていないかも注意してください。
できれば壁にベタッと身体をつけてみて、腰が浮き過ぎないか確認してください。

② では、バンザイをしたままスクワットを

次に、膝からお尻が水平または膝よりやや下がるくらいまでスクワットしてみましょう。
お尻を円の中心点に見立て、胴体と膝の角度が45°のイメージです。

■チェックポイント:
スムーズに膝を曲げられるかがチェック基準です。
この時、どこかに違和感や痛みを感じないかチェックしましょう。
このポーズがスムーズにできたら、次は詳細なチェックに進みましょう。

③ さて、カラダは大丈夫?

チェックポイント1:腕は正しい位置にありますか?

[傾向]
腕が耳に付けられない
真っ直ぐ上に上がらない

[原因]
胸椎部(胸後ろ辺りの背骨)が反れないこと、 肩甲骨を後傾できない(うまく下げられない)ことで、
腕を真っ直ぐ上げることが難しくなっています。
「デスクワークが多い人や日常生活で肩を大きく動かす機会が少ない人は、
肩周り(鎖骨や肩甲骨)が固まりがちですね。
その結果、腕を上げたときに無理な力が入ったり、
可動域の制限でスムーズな動きができなくなります。
肩周り(鎖骨や肩甲骨)や肋骨周りには、呼吸筋も多いので、張ると呼吸が浅くなります。
逆に、しっかり動けると深く呼吸ができるようになります」と黒川さん。

チェックポイント2:背中はまっすぐですか?

[傾向]
反り腰or猫背になってしまう

[原因]
日々の姿勢が崩れていることで、体幹が自由に動けず姿勢を保つのが難しくなっています。
「胸椎の可動性低下、骨盤の前後傾コントロール不足、股関節の引き込み不足が、
背中が反れずに丸くなったり、腰を強く反らせて代償するおもな原因です。
日々の歩き方やランニング時のクセ以上に、特に長時間の座り姿勢の影響が大きいので、
意識的によく体幹を動かして可動性を保つことが大切ですね」(黒川さん)

チェックポイント3:膝はどの位置にありますか?

[傾向]
膝が内側に寄る

[原因]
太腿や臀部の筋力バランスが崩れているため、膝が内側に寄りやすくなっています。

「膝が内側に曲がる原因は、内腿やお尻の筋力不足、股関節の可動域の低下です。
それにより着地時に重心のズレが生じ、
特に長時間のランでは膝や股関節の違和感や痛みにつながることがよくあります。
シューズのすり減りかたが均等でない人は要注意です。
普段からシューズの減り方をチェックして、
自分の着地のクセを知ることが、ケガを防ぐ第一歩ですね」(黒川さん)


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(後編に続く)


RYO KUROKAWA
プロランニングコーチ・トレーナー (鍼灸あん摩マッサージ指圧師)

青森山田高校、城西大出身。
箱根駅伝は5区・8区を出走。
2015年からは競技を離れ会社員を経験するが、
現役時代にたくさんの故障やスランプに悩まされた経験を糧に
2019年よりランニングコーチに転身。
同年8月に独立し、プロとして身体構造を強みとした"走り方改革"指導を行う。
本気で壁にぶつかるランナーが「理想の走りに変われる」きっかけ作りに重きを置く。
機能解剖学、トレーニング論、ランニング動作に関わる運動学・力学を学び、
JSPO-AT(アスレティックトレーナー)の資格取得にも励みながら、トップレベルの指導を目指す。
主催の「ECOフォームオンラインサロン」メンバーは230名突破 。
2020年から日本鍼灸理療専門学校に通学、2023年に卒業。

  • Text:Hiroshi Morohashi(LEMON SOUR,Inc.)
  • Edit:Toshiki Ebe(ebeWork)
  • Illustration:Akihiro Kurumizawa

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